放課後、家の方向が違うみいとは校門前で別れた。

5時間目の後半頃から泣きやんだものの、未だ笑顔ではない空の下、見慣れた道を歩く。


この辺りの道は、どこを歩いても視界の端に緑が入り込んでくる。

その緑の多くは草木がつくっているものだ。

誰が見ても都会とは言わないような場所だが、一面に田んぼが広がるようなのどかな田舎といった感じでもない。

言葉も、この町の先輩方は語尾が上がる独特なイントネーションで時々わからない言葉を話しているものの、わたしたち子供はほぼ標準語だ。

中途半端な田舎、という言葉がぴったりなこの場所が、わたしが生まれてから17年間世話になっている町である。


いいところも悪いところも、これといった特徴もないこの町を、わたしは少し前から愛し始めている。

ここまでなんとも言えない地域はそうそうないぞと。