時計に目をやると、針は昼休みが終わる5分ほど前を示していた。

席の主が戻ってくる気配はない。

わたしは昼休み終了5分前を示していた時計にため息をつき、みいの机に伏せた。

「次なに?」

「社会じゃなかった?」

頭上から降ってきたみいの声に再びため息をつく。

そろそろ自席に戻ったほうがいいのだろうかと思い、窓際の列を見た。

通路を挟んだ隣では、雨降りの空を背景に、輝く小野寺くんがノートになにかを書き込んでいる。

ノートのそばには電卓がおいてあり、それは時々叩かれている。

会社の経理課かよ、と心の中で呟く。

昼休みくらい友達と話したりすればいいのにと思っていると、その昼休みは終わりを迎えた。