「まあまあ、そう気にすることないよ。
その語彙力に似たものを活かして言語学者とかになればいいじゃん」
「言語学者。学者じゃん。難しそうじゃん。知ってるでしょ、わたしが勉強大嫌い系女子高生だってこと」
「よーく知ってる」
「ならば学者などという仕事をすすめるでないよ」
「まあそうかも知れないけどさ」
みいは苦笑すると、「この学校から結構いい大学行った人多いよ?」と続けた。
わたしはため息をつく。
「わたしは本来こんな学校に通うべき人間じゃないんだよ」
「えっ?」
どういう意味だと言いたげなみいに、
「話すと長くなるぞい? おまけに面白えもんでもねえ。んだ、聞くべぎでねえ」と、近所のおばあちゃんを意識して返した。



