「じゃあ里香、じいばあと一緒に暮らしてる?」

少しの沈黙のあとにみいに訊かれ、「両親と弟との4人だよ?」と答える。

「じゃあ、なんでだろうね?」

「なんでだろうね。……えっ?」

「いやあの、じいばあがいたらちょっと古い言葉も身近にあるのかなあ、なんて思ってさ」

でも違うんだもんね、とみいはわたしを見た。

わたしは、自分の言葉遣いと家族構成の関係よりも、みいの先ほどの言葉のほうが気になった。


「古いの? わたしの使う言葉、古いの?」


わたしは自分に人差し指を向け、軽く身を乗り出した。


「なんだろ。古いっていうか、普通の人あんま使わないよねって感じの言葉?」

「ああ……。なんか悲しい」


ため息をつき、崩れ落ちるように人様の椅子に座る。

微かに尻が痛む。