できることなら、女子のみなさんに先に言っておきたい。

小野寺くんの席をわたしの席の隣へはくじ引きが導いたのであって、

その結果はわたしも小野寺くんも望んではいなかった。

互いにとって、特別よろしい結果ではなかったのだと。


「はあ……」

翌朝、新しい席に着くと同時に、机に置いた鞄に顔をうずめた。

神様、

頭脳は本来中の下から中のぎりぎり上、

顔にある特徴は涙ぼくろとほとんどの人が大きいと言ってくれる二重の目くらい、

スタイルは悪く言葉遣いは独特だと言われ続けてきたわたくしを、どうか助けてください。


なぜこんな席順になってしまったのだろう。

せめて、みいと小野寺くんの席が逆であってほしかった。


そうすれば、小野寺くんと近い席にはなるものの、

わたしにとってはただのクラスメイトという存在の小野寺くんよりずっと大きな存在である親友のみいが隣の席になるわけだから、

わたしは1か月、みいと楽しく過ごし、小野寺くんと関わることはなかったのだ。