しばらく話し、わたしの発言にみいがぎゃははと楽しそうに笑ってくれた頃、

ざわめきの中に「失礼」という男子の美声が聞こえた。

その声が聞こえたほうを見ると、小野寺 薫がいた。

そう、登校時には多くの女子生徒を騒がせ、

テスト後には

張り出された紙の1という数字のあとに書かれる名前で毎回1つの学年を騒がせる、

われら東高等学校第2学年4クラスの王子様、小野寺 薫だ。


そんな輝かしい人が、3年ほど前からおちび拾って下さいの紙が貼られたダンボール箱に入れられているわたしの隣にきた。


綺麗な栗色の髪の毛と、本気で笑ったときに見える控えめな八重歯がチャームポイント。

身長は176センチ。

栗色の髪の毛は、少々面倒くさがりだと囁かれている彼の性格から地だと思われる。