ばーか。〜あいつを振るなら、俺がその理由になってやるよ。〜



「んー、とりあえずなにか頼もうか」

はい、とみいに渡された、

どことなく高級感の漂うメニューを開くと、わたしは真っ先に全体的な値段を確認した。

店の外観や店内、メニューなどの様子から、最も安いものを注文しても

財布の中が空を越えてマイナスになりそうだと感じていたからだ。

しかしその心配は要らず、デザート類の多くが野口英世1人でお釣りがくる値段だった。


「意外と安いんだね」

「そうだよ。なんか、店内とか外観だけ変に背伸びしてる感がかわいいよね」

いかにもウチ高いですよ的な、と少し馬鹿にしたように笑うみいに、

「わたしは安くて安心したよ」と笑い返す。


しばらくメニューを眺めていると鼻がむずむずし、下を向いて他所用の方法でそれを発散すると、

普段のくしゃみを知るみいに「今回は静かだ」と笑われた。

「これ他所用」と笑い返すと、「くしゃみって調節できるものなの?」とさらに笑われた。

「全然すっきりしないからおすすめはしないよ」と鼻をすすりながら言うと、

「でしょうね」と食い気味に返ってきた。