宿題を始めて間もなく、車のドアを閉める音が聞こえた。 その音の大きさから、宅配のトラックではないかと予想した。 薫くんも同じことを考えたらしく、「ちょっと待ってて」と残し、部屋を出ていった。 間もなく、軽快に階段を降りる音が聞こえてきた。 隣の部屋から微かに聞こえてくる楽しそうな話し声と 時々入る笑い声につられて笑ったりしていると、 やがて階段を駆け上がる音が聞こえ、部屋のドアが開けられた。 「おかえり」 わたしの部屋じゃないけどと笑いを続けると、「任務完了です」と薫くんは笑った。