いやいやいやいやダメだ。

働いているカフェに偶然一之瀬さんが来店して、
映見ちゃんの協力により私の連絡先を渡し、
そしてその後、まさかの2人で飲みに行った、
意外なことに会話が弾み、すごく楽しかった。
そこまでは良いと思うんだけど。

酔った挙句、一之瀬さんの部屋、一之瀬さんのベッドで眠りこむとか、
あり得なすぎる。

酔っていて詳細は覚えてないけれど。
何があったのか、知りたいような知りたくないような。
さっき一之瀬さんに、‘気にならないのか、昨日のこと。
と聞かれた時、本当は知りたくて知りたくて仕方がなかったけど、
その反面、知りたくないとも思った。

間違いなく醜態を晒しているし、
私のことだから、ぺらぺらと喋り倒していただろうし。

きっともう一之瀬さんと会うこともないだろうから、
知らないままの方が、私にとっては幸せかもしれない。
そう思ってしまった。

今のままなら、
恥ずかしいと思いつつも
楽しかったなぁと
そういう、思い出のまま、心の中に留めておけそうだから。