はっ?このヒトなに言ってるの?

なに言ってるのか分からなかった。つまりあたしには、理解不能。

ポカンとしていると、藤崎さんは、笑いだした。

「フハハハハ!やっぱ可愛いし!」

「ふっ、藤崎さんは、可愛いって、綺麗って言って喜ぶのが女子だって思ってます?」

「……」

「なんであたしなんかが可愛いんですか?あたしのどこが綺麗なんですか?わけが分かりません。あたしが!……!……あたしは……可愛いって言われて、喜ぶような女じゃありません……」

バカ美麗!なんで大声なんか!あたしは、地味でいいの!月でいいの!

陰でいいの……

「なんですぐ、地味になっちゃうわけ?」

「え……?」

延びてきた手は、あたしの長い前髪に触れた。