また、ボールを片づけ始めた。

「キャア!」

「どうした!?」

「くっ、くっ、蜘蛛がっ……」

「蜘蛛?あっ、ホントだ」

あたしは蜘蛛や虫が、大っ嫌い。

なのに藤崎さんは、素手で蜘蛛を外にやった。

「はい、これで大丈夫。蜘蛛、嫌いなんだね」

「はっ、はっ、はいっ……虫が大嫌いで……」

今にも泣きそうなあたしだった。

「そっかぁ。まあ、可愛いじゃん?それに、君ってさ、月みたいに綺麗だよね」

“可愛いじゃん?”

“月みたいに綺麗だよね”