「心臓が悪いって分かったのは、小5の時。プールで泳いたあと、倒れたんだ。病院に運ばれて、手術したんだ。助かったけど、もう激しい運動は出来ないって……だから、体育も出来なくてさ。そしたら、チビだの弱いだの……それで、たくさん殴られて……この傷が、その時付いた傷。その時からかな、人が苦手になったのは」

そんなことがあったんだ……

「まあ今は、いじめられないけどさ……」

そう言って、スケッチブックと鉛筆を取った。

「うわぁ、可愛い!」

「ん?ああ、これな。公園に行った時、猫の親子が寝てたんだ」

開いた紙には、猫の親子が寝ている姿が描かれていた。

「すごいすごい!リアルだぁ!」

「……フッ……」

優しく微笑んだ彼にあたしは、恋をした。

初めて感じたこの感情が、“恋”とゆう名の病気なのだろう。