朝の報告に取締役室に向かう。

自分の服を上から眺めるが…………


少し気合いを入れ過ぎたかな?


川島さんに言われると気になり始めた。

他の社員も同じように思っているかもしれないのだ。

考えている間に取締役室の前に到着した。

大きく深呼吸をして扉をノックする。


「榛名取締役、おはようございます。」

「斉藤さん、おはよう。」


いつもの笑みが目に入る。

同じように笑みを浮かべて見せた。


「本日のご予定ですが。」

「今日の夜の約束は大丈夫?」


取締役に遮られた私はスケジュール帳から顔を上げた。

いつもより上機嫌に見える。


「はい、大丈夫です。それより本日のご予定ですが。」

「俺、昨日の夜は楽しみで中々寝付けなかった。斉藤さんは?楽しみにしてくれてた?」

「はい。」


本当に上機嫌が手に取るように伝わってくる。

こんなに楽しみにしてくれているのは凄く嬉しいけど、仕事の報告も聞いて欲しい。


「榛名取締役、私の話も聞いて頂けますか?」