「おひさ!
あんたが寂しそうとかなんとかルリちゃんから聞いたから来てやったわよ」
アイは偉そうに言い放つ。
玲斗は黙って、うっすらと開く青い目でアイを見ていた。
美しい黒髪から覗く青い瞳ーーー。
まぁたしかに、多くの女がこいつを好きなるのは理解できる。
女達がなりたい理想、そのものだからな。
「・・・別に僕は頼んでないけどね
ありがとう」
良かったな、アイ。
玲斗は落ち着いてて。
あたしなら、「てめぇ何様だよ!」ってキレてるところだった。
「・・・どうぞ、皆さんで食べてちょうだいね」
「・・・ミリヤ・・・、僕、飲むもの今はいらない」
あらそう、と呟き、ミリヤと呼ばれた玲斗付きの女は紅茶をあたし達にふるまった。
さすがは坊ちゃん。
こんなでかい家に住んでるのは凄いな。
噴水もあるし・・・。
「ミリヤって使用人か?」
「・・・・・・え?」
玲斗は驚いた顔をした。
いやだっていつもあたし達にお茶いれてくれるし。
「違うよ、ミルカちゃんー
シャーロットさんは、玲斗の従兄弟のお姉さんだよ〜
使用人にしては上品だし、階級も全然上だよ〜?
も〜、シャーロットさんに失礼!」
「ふ、たしかにね」
玲斗は吹き出していた。
後で見てなさいよ玲斗と呟いたシャーロットの声をあたしは聞き逃さなかった。