くすくすと笑うイーディスの声は

森の闇を駆け巡り

怪しい男の耳をくすぐりました

「聞いた事のない声色・・・」

「商売の匂いがぷんぷんウシシシッ!」

音も無く木々を飛びまわり

男はイーディスの肩に止まると

鼻を何度もひくひくとさせ笑います

「ウシシシッ!やっぱりそうだ!」

変な声が急に聞こえたので

イーディスは思わず肩のそれを握り

金切り声を上げました

「ぐおっ苦しっお客さんお客さん!」

「ここ!見て見て!潰れる潰れるっ!」

手の中で暴れるそれは仄かに温かく

ふさふさととても気持ちの良い物でした

「ハム・・・?ハム鼠?」

「いやいや、あたしゃリスですよ」

「闇市でちょっと商売してるねウシッ」