委員会決めがあった。
私は文化図書委員に立候補した。ひたすら運がない私は、なんとなくチョキを出した。すると、奇跡的に勝てて、文化図書委員になることができた。
ひかるくんは…と無意識に男子の方を見る。全然何が起きているのかわからない。
(勝ってほしいな…)
接点がほしい。そんな、見てました!とか気持ち悪いこと、さすがに言えない。それでないと、話せない。
「か、勝った…」
クラスの中でも地味な感じの男子がつぶやく。その人が、本読んでるとこ全然見ないし、本好きとは思えない。私は警戒の眼差しをむける。対して、ジャンケンに負けたひかるくんは、落ち込んでいるようにみえた。念願の文化図書委員に入れた私も、少し暗い気分になった。