「遅れました~」
私とまこちゃんは、教室に入った。先生は何も言わなかった。私たちは、各自席につく。そして、気づいた。
(え、席近かったんだ…)
まこちゃんの席は、私の左ななめ前だった。
私はまだ乱れている息を整える。そして、ちらっと左ななめ後ろを見る。また本を読んでいる。
(名札…は)
野﨑光。みんななんて呼んでるのかな。なにを読んでいるのかな。
(本の趣味、同じだといいなぁ)
本の虫を発見してしまって、もうだめだ。ほっぺが赤くなるのが分かる。大体私は惚れっぽい。
(早すぎるよね、さすがに)
まだ好きじゃない。まだ好きじゃない。私は胸に湧いてきた気持ちを押し殺す。
先生が話し始める。ひかるくんは本にしおりを挟んで、大事そうに本を閉じる。パタンっと音がする。私はその音に耳を澄ましていた。
私とまこちゃんは、教室に入った。先生は何も言わなかった。私たちは、各自席につく。そして、気づいた。
(え、席近かったんだ…)
まこちゃんの席は、私の左ななめ前だった。
私はまだ乱れている息を整える。そして、ちらっと左ななめ後ろを見る。また本を読んでいる。
(名札…は)
野﨑光。みんななんて呼んでるのかな。なにを読んでいるのかな。
(本の趣味、同じだといいなぁ)
本の虫を発見してしまって、もうだめだ。ほっぺが赤くなるのが分かる。大体私は惚れっぽい。
(早すぎるよね、さすがに)
まだ好きじゃない。まだ好きじゃない。私は胸に湧いてきた気持ちを押し殺す。
先生が話し始める。ひかるくんは本にしおりを挟んで、大事そうに本を閉じる。パタンっと音がする。私はその音に耳を澄ましていた。

