自転車庫に行くために靴を履き変えようと、下駄箱に行く。靴を脱いでいると、
「なぁなぁ」
私は声の方向を向く。同じクラス…にいたような、身長の高い女子が立っていた。
「あ…」
思わず声が出る。誰だっけ。あいにく下駄箱には4桁番号しか書いていない。
(誰だっけ!?)
まじで思い出せない。誰だっけ、誰だっけ。
「あ、えーと。同じクラスの西田真子やでー」
まこちゃんか。
(あ!)
自己紹介してない。
「同じクラスの、早藤もも、です。」
なんかカタコト。先輩の前じゃどうするんだ、私。
「ははっ。そんなカタコト?てゆーか、チャリキーぬき忘れたんだね」
まこちゃんは、笑っていた。思わずつられて笑う。まこちゃんと隣には、大人しい感じの女子がいた。
(これじゃ、1人で自転車庫に行くしかないわ)
そんなことを考えていたら、急に声をかけられた。
「ねぇ」
「はいいっ!」
びっくりして、思わず声が大きくなる。
「チャリキー取りに行こうよ」
「…え…」
「ほら、授業はじまる!」
まこちゃんに連れられて、自転車庫にむかう。