うちらの青春

入学してから、1週間ほどたった。なんとなくイケメンのレントくんが、私の前の席だということを除いて、だいぶ慣れてきた。
(あー、やばー)
レントくん率いる男子たちが、レントくんの席の周りを囲んで話している。未だにぼっちな私は、抜け出す口実がなく、仕方なく自分の席で本を開く。
(あ…これはまずいかも…?)
男子たちがじゃれはじめた。徐々にヒートアップして、男子たちが走り始める。私は、暴れる男子は得意ではない。
(ど、どーやって抜け出そう…っ)
ついに、1人の男子のおしりが私の机にあたる。
「あっ、わりーわりー」
軽く謝ってくるが、またすぐ走り始める。全っ然反省してないじゃんっ!と思いながらも口にできない。
そろそろやばいかな、と思っていても抜け出す口実がない。行くところがない。どうすればいいんだろう。
(どうすればいいの…)
すると、先生が言った。
「自転車の鍵抜き忘れた人は、抜いてきてくださいー!」
私はブレザーのポケットをあさる。何も入っていない。
(やばい!)
と、思いながらもウキウキしながら、
「あ。やば。チャリキー抜き忘れた!」
と私はわざとレントくんたちに聞こえるようにつぶやいた。というか、言った。