目が覚めると、


「くるみ!」


「くるみ…っ、よかったぁ」


こっちの方に向かって、そう叫ぶ女の子たちがいて。


「……一ノ瀬さん…っ」


「……」


「……ごめん、俺のせいで」


「……」


「……無事でよかった」


「……」


「……本当にごめん」


「……」


「……」


「……」


「……い、ちのせ、さん?」


前髪が長くて顔がはっきり見えない男の子があたしの元に来て、なんていうか、安堵の表情を浮かべていた。


理解出来ないこの状況。


なに?


ここはどこ?


「……くるみ?」


すると、さっきとは違う男の子があたしの方をみて、そう問い掛けた。


くるみ、ってなに?


食べ物?


それよりも……。


「……だ、れ?」


目の前にいる人たちが一体誰なのか全く分からなかった。


「……あはっ、どうしちゃったの、くるみ。目の前にいるのは榛名くんでしょ? 頭打って忘れちゃった?」


「……」


何も言わない…いや、言えない私に…。


私……?


え……?