いつか淡い恋の先をキミと

榛名くん、本当にキミはどうしてそんなに私の心に寄り添ってくれるの。


心にぽっかりと空いた穴にすっと自然に入り込んできてくれるような。


この気持ちをなんと表現していいのか分からなかった。


ただずっと、榛名くん、と名前を呼び続けたいような。


ありがとう、と榛名くん自身のその存在にすら感謝していたいような。


榛名くんってこんなに良い人なんだよ、って誰かに自慢したいような。


「くるみ」


いきなり呼ばれた名前に、顔を榛名くんからその声がした方へ向けると、そこには響子ちゃんがいた。


たった今、教室から出てきた様子だった。


まるで私と榛名くんがここを通るのが分かっていたみたいに。


怖かった。


何かを言われるようなことをした覚えはもちろんある。


だけど何を言われるのか分からないから怖かった。


また、拓哉くんみたいなことを言われるんじゃないかって思うと、怖くてたまらなかった。


私は自分で思うよりもずっと、拓哉くんの言葉に傷付いていたんだと、榛名くんに言われて気が付いた。


だけど逃げてばっかりじゃ何も解決しないことも分かっていた。


だから榛名くんが隣にいてくれるなら、私は少しだけ勇気が出せる気がする。


「響子ちゃん…どうしたの?」