「そんなの分かんねぇじゃん」
「分かるの! だってくるみは絶対に記憶を取り戻すんだから!」
「なんでそんなこと言えるんだよ! そんなのそれこそ誰にも分かるわけないだろ!」
「あたしは信じてるから、くるみは絶対にあたしのこともちゃんと思い出してくれるって……思い出して欲しいの」
「思い出したらきっと陽平とも別れるだろうしな。本当は陽平じゃなくて榛名のことが好きだったんだって思い出して、くるみはさっさと陽平とは別れて榛名とくっ付くんだろうよ…周りを散々巻き込んでおいて、でも絶対くるみだけは幸せになるようになってんだよ」
「……あんた本気でそう思ってんの? ねぇ、なんでそんなことサラッと言えるような人になっちゃったの? いつでも元気でポジティブなバカってところがあんたのいいところだったのに——今のあんたは最低だよ」
流石にこの響子の言葉には傷付いたのか、もうそれから拓哉は喋らなくなった。
響子はこの重たい沈黙に耐えられなくなったのか、泣いた顔をどうにかしようと思ったのかは分からないけど、静かに教室を出て行った。
残された俺たちはしばらくどうすることも出来なかったけど、
「わたしたちはくるみを探しに行かないと」
その悠美の一言で俺と悠美はくるみと陽平を探しに行くこととなった。
でも教室を出る間際、
「拓哉、叩いてごめんね。わたしは中学の頃から拓哉が響子のことどれだけ好きだったか知ってるから、くるみに余計なことを言っちゃったのは響子の為を想ってのことだって信じてるから」
拓哉にそう言った悠美の真意は高校からの付き合いの俺には分からない。
でもなんとなく、小さい頃からくるみのことが好きな陽平を見てきた俺と同じ様に、悠美も響子のことが好きな拓哉を見てきたのではないだろうかと想像出来た。
人の想いを知っても自分にはどうすることも出来ないもどかしさを悠美も分かってる。
だけど、それでも言わずにはいられない時もある。
「分かるの! だってくるみは絶対に記憶を取り戻すんだから!」
「なんでそんなこと言えるんだよ! そんなのそれこそ誰にも分かるわけないだろ!」
「あたしは信じてるから、くるみは絶対にあたしのこともちゃんと思い出してくれるって……思い出して欲しいの」
「思い出したらきっと陽平とも別れるだろうしな。本当は陽平じゃなくて榛名のことが好きだったんだって思い出して、くるみはさっさと陽平とは別れて榛名とくっ付くんだろうよ…周りを散々巻き込んでおいて、でも絶対くるみだけは幸せになるようになってんだよ」
「……あんた本気でそう思ってんの? ねぇ、なんでそんなことサラッと言えるような人になっちゃったの? いつでも元気でポジティブなバカってところがあんたのいいところだったのに——今のあんたは最低だよ」
流石にこの響子の言葉には傷付いたのか、もうそれから拓哉は喋らなくなった。
響子はこの重たい沈黙に耐えられなくなったのか、泣いた顔をどうにかしようと思ったのかは分からないけど、静かに教室を出て行った。
残された俺たちはしばらくどうすることも出来なかったけど、
「わたしたちはくるみを探しに行かないと」
その悠美の一言で俺と悠美はくるみと陽平を探しに行くこととなった。
でも教室を出る間際、
「拓哉、叩いてごめんね。わたしは中学の頃から拓哉が響子のことどれだけ好きだったか知ってるから、くるみに余計なことを言っちゃったのは響子の為を想ってのことだって信じてるから」
拓哉にそう言った悠美の真意は高校からの付き合いの俺には分からない。
でもなんとなく、小さい頃からくるみのことが好きな陽平を見てきた俺と同じ様に、悠美も響子のことが好きな拓哉を見てきたのではないだろうかと想像出来た。
人の想いを知っても自分にはどうすることも出来ないもどかしさを悠美も分かってる。
だけど、それでも言わずにはいられない時もある。
