Side Tsubasa
文化祭の役割決めのホームルームが終わった直後、陽平がくるみの腕を引っ張って何処かに行ったのを見て、止めないとと思う反面、やっぱりかと思う自分もいた。
見るからに怒っている陽平じゃくるみに何を言うか分かったものじゃない。
だけど陽平の気持ちも汲んでやりたかった。
実行委員、くるみが陽平じゃなくて榛名を選んだあの瞬間、二人がまた仲良くしていることを初めて知った。
おそらく陽平もそうだろう。
悔しかっただろうと想像もつく。
例えそれが名ばかりだとしても付き合っているという事実がある限り、彼女が自分以外の男を選ぶということは負けたのと同じだ。
「翼。陽ちゃんとくるみ探しに行かなくていいの?」
そんなことを考えていたら、横から悠美がやってきた。
「探しに行かないとダメだろうね」
「じゃあ早く行こうよ!今の陽ちゃんとくるみを二人きりにしたら絶対ダメだよ!」
珍しく悠美が声を大きくしていてびっくりしたけど、更にまた横から拓哉が来たからそれに気を取られて悠美がそこまで気にする理由も聞けなかった。
「拓哉もくるみと陽平を追いかけた方がいいって言いに来たのか?」
さっきの体育の時間に捻挫で保健室に行って、帰ってきてから何故かいつもと様子の違う拓哉にそう尋ねた。
おそらくそうだろうと確認の問いだったと自分では思ってた。
でも、
「俺のせいなんだ、多分」
質問の答えは想像とかけ離れていた。
俺のせい——一体何が拓哉のせいなんだ。
文化祭の役割決めのホームルームが終わった直後、陽平がくるみの腕を引っ張って何処かに行ったのを見て、止めないとと思う反面、やっぱりかと思う自分もいた。
見るからに怒っている陽平じゃくるみに何を言うか分かったものじゃない。
だけど陽平の気持ちも汲んでやりたかった。
実行委員、くるみが陽平じゃなくて榛名を選んだあの瞬間、二人がまた仲良くしていることを初めて知った。
おそらく陽平もそうだろう。
悔しかっただろうと想像もつく。
例えそれが名ばかりだとしても付き合っているという事実がある限り、彼女が自分以外の男を選ぶということは負けたのと同じだ。
「翼。陽ちゃんとくるみ探しに行かなくていいの?」
そんなことを考えていたら、横から悠美がやってきた。
「探しに行かないとダメだろうね」
「じゃあ早く行こうよ!今の陽ちゃんとくるみを二人きりにしたら絶対ダメだよ!」
珍しく悠美が声を大きくしていてびっくりしたけど、更にまた横から拓哉が来たからそれに気を取られて悠美がそこまで気にする理由も聞けなかった。
「拓哉もくるみと陽平を追いかけた方がいいって言いに来たのか?」
さっきの体育の時間に捻挫で保健室に行って、帰ってきてから何故かいつもと様子の違う拓哉にそう尋ねた。
おそらくそうだろうと確認の問いだったと自分では思ってた。
でも、
「俺のせいなんだ、多分」
質問の答えは想像とかけ離れていた。
俺のせい——一体何が拓哉のせいなんだ。
