いつか淡い恋の先をキミと

なんて優しい言葉なんだろう。


でもちょっと優し過ぎるね。


「ありがとう、でも私は誰とも変わらないよ。これは初めて私が決めたことだから」


「……分かった。じゃあ俺も誰とも代わらない」


「うん。じゃあそろそろ行こっか」


「そうだね」


陽平くんとのやり取りがまだ心の中で尾を引いてることに違いはなかった。


でも君の優しい言葉で心のもやが少し晴れた気がした。


陽平くんとちゃんと向き合わなきゃいけないことも分かってたけど、今は——今だけは榛名くんとの会話を楽しんでいたかった。


私がそうすることで傷付いている人がたくさんいることも知らずに、榛名くんと多目的室に向かっていた。