いつか淡い恋の先をキミと

響子ちゃんのその返事を聞いて、物凄く胸が痛んだ。


ごめんね、私のせいで響子ちゃんにそんな声を出させちゃって……。


こういうことなのかもしれない。


拓哉くんが言ってた私の裏でちゃんと傷付いている人がいるということは。


それからクラスの出し物の案をみんなで意見しあい、明日の会議で他のクラスと被らなかったもので決定するとのことでホームルームは終了した。


「じゃあとりあえず実行委員は今日の16時から多目的室で会議があるからよろしくな。それじゃ委員長号令お願いします」


早速今日から実行委員の仕事があるとは思っていなかったけど、そのおかけで陽平くんたちと帰らなくて済むと考えたら幾分か気持ちは楽になった。


だけどこんなことを考えてしまっている私はきっと拓哉くんの言う通り憎いんだと思う。


だからもう今は何も考えたくない。


何も——


「ちょっとこっち来い」


「よ、うへいくん…」


強引に腕を掴まれ席を立たされた私が連れて行かれた場所はこの時間帯はあまり使われない美術準備室などがあるひとつ上の階だった。


「さっきのはどういうことだよ」


「……」


なんと答えていいのか分からない。


いや、なんと答えたら正解なのかが分からない。


「くるみ」


「……」


心臓がバクバク言っているのが耳まで聞こえてる気がした。


これはドキドキじゃない。


漠然とした恐怖に怯えてる時の状態だ。


「何とか言わねぇと分かんねぇだろ!」