「でもなんだか嬉しそうだね」
「……」
「拓哉くん?」
「……いや、あいつ俺に言い方キツいじゃん! それで嬉しそうって言われる俺って端から見たら超絶Mなんじゃね!? 的なことを思ってだな」
「違うよ!」
「……」
「そんなこと思ってないよ! 本当に私は——」
「分かってるんだよ、そんな真剣に謝らなくても。ただの冗談じゃん。くるみはそんなこと思わない。素直過ぎるくらい素直なくるみを響子は凄ぇ大切に思ってる。でもさ、その素直さが俺にはたまに憎くなる時があるんだよな」
「……」
「くるみが悪い訳じゃない。でもなんか言わずにいられなくて」
「……」
「だからさ、鈍くて素直で自分の気持ちに正直でまっすぐなくるみの裏で、実は傷付いてる奴がいるってこと、ちゃんとくるみには分かってて欲しいんだ」
「……」
「あと俺はくるみのことが嫌いだからこんなことを言ってるんじゃないから! 手当て本当にありがと! じゃあ先教室戻ってるな!」
今のは……どういうことなんだろう。
しばらく頭が真っ白になる。
ただこの前、あまり聞き取れなかった榛名くんの「まっすぐ」って言葉を今、拓哉くんにも言われたんだって思うとなんだか悲しかった。
自分の意思とは関係なく流れてくる涙を私は止めることができない。
『鈍くて素直で自分の気持ちに正直でまっすぐなくるみの裏で、実は傷付いてる奴がいるってこと、ちゃんとくるみには分かってて欲しいんだ』
それは私のせいで傷付いている人が少なくとも1人はいるということ。
そしてその人はもしかしたら響子ちゃんかもしれないということ。
確かなことは分からないけど、さっきの拓哉くんの言葉からなんとなく響子ちゃんへの想いが感じ取れた。
……やっぱり、私が響子ちゃん達に頼りきってることがダメなんだ。
自分が気付いてないところで人を、それも友達を傷付けていただなんて申し訳なくてやっぱり涙が止まらない。
「……」
「拓哉くん?」
「……いや、あいつ俺に言い方キツいじゃん! それで嬉しそうって言われる俺って端から見たら超絶Mなんじゃね!? 的なことを思ってだな」
「違うよ!」
「……」
「そんなこと思ってないよ! 本当に私は——」
「分かってるんだよ、そんな真剣に謝らなくても。ただの冗談じゃん。くるみはそんなこと思わない。素直過ぎるくらい素直なくるみを響子は凄ぇ大切に思ってる。でもさ、その素直さが俺にはたまに憎くなる時があるんだよな」
「……」
「くるみが悪い訳じゃない。でもなんか言わずにいられなくて」
「……」
「だからさ、鈍くて素直で自分の気持ちに正直でまっすぐなくるみの裏で、実は傷付いてる奴がいるってこと、ちゃんとくるみには分かってて欲しいんだ」
「……」
「あと俺はくるみのことが嫌いだからこんなことを言ってるんじゃないから! 手当て本当にありがと! じゃあ先教室戻ってるな!」
今のは……どういうことなんだろう。
しばらく頭が真っ白になる。
ただこの前、あまり聞き取れなかった榛名くんの「まっすぐ」って言葉を今、拓哉くんにも言われたんだって思うとなんだか悲しかった。
自分の意思とは関係なく流れてくる涙を私は止めることができない。
『鈍くて素直で自分の気持ちに正直でまっすぐなくるみの裏で、実は傷付いてる奴がいるってこと、ちゃんとくるみには分かってて欲しいんだ』
それは私のせいで傷付いている人が少なくとも1人はいるということ。
そしてその人はもしかしたら響子ちゃんかもしれないということ。
確かなことは分からないけど、さっきの拓哉くんの言葉からなんとなく響子ちゃんへの想いが感じ取れた。
……やっぱり、私が響子ちゃん達に頼りきってることがダメなんだ。
自分が気付いてないところで人を、それも友達を傷付けていただなんて申し訳なくてやっぱり涙が止まらない。
