いつか淡い恋の先をキミと

自分の不注意による怪我なのに物凄く心配してくれた周りの子たちにまたしても申し訳ない気持ちになる。


だから保健室までついてきてくれると言う響子ちゃんと悠実ちゃんには断りを入れ、一人で体育館を出た。


2人とも私にちょっと過保護だなと微笑ましくなるけど、それに今まで甘えてしまってたことも事実。


これからはちょっとずつそれからも卒業していかないといけない。


いつまでも甘えてばかりじゃきっと記憶も戻らない。


最近は前よりも一層記憶を取り戻したいと思うようになってきた。


そして校舎に入り、ジンジンと痛む指の感覚に慣れてきた頃、保健室の扉を開けるとそこには拓哉くんがいた。


「あれ、くるみじゃん!どうした?」


「ちょっとバレーボールで突き指しちゃって」


「突き指は痛ぇーな。大丈夫か?」


「うん、だいぶ慣れてきたから大丈夫だよ。拓哉くんはどうしたの?」


「俺はサッカーやってたら足挫いて、捻挫しちゃったんだよね。地味にいてーの。でも先生いなくて1人で湿布貼ろうとしてたら何故か上手く貼れねぇの」


「ほんとだ、シワになっちゃってるね。じゃあ私が貼ってあげるから湿布かして?」


「お、マジ!助かる!さんきゅ!」


拓哉くんから湿布を受け取り、少し腫れてる足にちゃんと効くように貼り付け、それから足が痛くないように包帯で固定した。


「くるみ包帯巻くの上手いな!多分響子より上手い!」


「そんなこと言ったら響子ちゃんに怒られるよ」


「だな。俺、響子に怒られてしかねぇもんな」