いつか淡い恋の先をキミと

ついに迎えた日曜日、私の家まで迎えに来てくれると言った陽平くんが来るのは午後1時。


昼飯は翠さんたちと食べとけ、とぶっきらぼうに言った陽平くんは多分「お母さん」と「お父さん」のことを凄く考えてる。


言動は不器用だけど、本当は私に対する優しさで溢れてることは知ってる。


これは私自身が探した陽平くんのいいところ。


このままちょっとずつ陽平くんのことを知っていけば、きっと私は本当に好きになれる。


そして翼くんの言っていたことの答えがみつかる。


そう信じて疑わなかった。


インターフォンがなったから、準備を整い終えて外へ出た。


「陽平くん」


「おう。もう行けるか?」


「うん、大丈夫」


「じゃあ行くぞ」


何処に行くのかは秘密である陽平くんと一番最初に向かったのは、最寄り駅。


電車に乗るんだ、と普段徒歩通学で学校に通ってる身分としてはあまりないことなので驚いた。


確かにこの辺で遊ぶと言っても公園くらいしか浮かばないのは私の記憶がないからだろうか。


地元の人ならではのところがあるのだろうか。


前はきっと知っていたんだろうな……。


電車に乗って10分くらい経った頃だろうか、次だぞ、と言う声が頭から降ってくると同時に手に柔らかい感覚が走った。


見上げると陽平くんは窓の外の方を向いていて、私が手すりを掴んでいるのと反対側の手を優しく掴んでいた。


太陽に照らされるその横顔は心なしか赤く見えた。