いつか淡い恋の先をキミと

Side Tsuabsa



くるみが陽平とデートをすると言っていた日曜日、俺は悠実が行きたがっていたスイーツ専門店に本人と一緒にに来ていた。


季節限定の物を注文して満足気な悠実の顔にこっちが癒される。


「あれ、悠実と翼じゃん!」


何処からかそんな声が聞こえてきて振り返れば、そこには響子と拓哉がいた。


「なになにデート中ー?」


「そうだよ。そっちは?」


「こいつがねー、俺一人じゃここにこれないからってついてきてやったのよ」


「拓哉らしいね」


「席一緒でもいい?」


「いいよ。翼もいいよね?」


「うん」


二人だけのはずだったけど、まぁこのメンバーならいつもとあまりかわりはない。


ま、たまには四人っていうのも悪くはないかと一人で納得した。


みんなが注文した物が来るまでは他愛もない話をしていた。


だけど、ウェイトレスの人が「ご注文はお揃いでしょうか」の言葉を言い終えた後、話は自然とくるみと陽平の話に移った。


「今日、くるみと陽ちゃんデートだね」


「上手くいくといいけどね」


「陽平、ちゃんとやれてんのかな」


「陽ちゃんならきっと大丈夫だよ」


「……そうだね」


「それよりさ…くるみは本当にちゃんと陽ちゃんのこと好きなのかな?」


悠実のその言葉にみんなが一斉に口を閉ざした。


誰もが考えていたこと。


だけどあえて口にはしなかったこと。