布団を頭から被り、しつこい男を無視する。
…だって、悔しい。
結局また、ヤツの思い通り抱かれ、しかも余裕がなくなって、涙を流しながら懇願するほど追い込まれた。
さっきまで早朝だったはずなのに、いつの間にか昼過ぎで、すっかり太陽は登りきっている。
「紅ちゃん、お腹すいたでしょ?」
…こんな調子であたしにずっと話しかけてきて、たまに布団をツンツンしてくるこいつの声はすっかりいつもの調子で、あたしの声はうって変わって枯れている。
「…うるさい。あっちいって。」
あまりにもしつこくて時々、そんなことを言って見るけど、あの男が聞いてくれる訳もなく。
「ここ、俺の家だから。」
と、何が面白いのか喉をクック鳴らしながら笑い、あたしの頭を布団越しから撫でてくる。
その感覚が、思ったより嫌じゃない自分に嫌気がさし、身体を丸めて膝をぎゅっと抱えた。
「紅。俺が悪かったから、布団から出てきて?」
今まで、聞いた事のないくらいの優しい声でそう言われ、
「…呼び捨てにしないで。」
と、つい、布団から顔を出す。
「顔、真っ赤になってる。」
