「…よく兄に乾かしてもらってたので、懐かしい気持ちになります」


「俺とお兄さんを重ねているのかな」


「…たぶん同じくらいの年齢だと思うので…兄は意地悪で落ち着きがなくて、優しくて大人な新藤さんとは正反対なんですけど」


ガッチリとした大柄な兄はいかにもスポーツに励んでいる風貌だが、新藤さんは当然鍛えてはいるだろうが華奢な印象だ。


「へぇ。なっちゃんはお兄さんの話をしている時、目がキラキラしてるね」


「そうでしょうか?」


「うん。本当に仲の良い兄妹だったんだね」


「新藤さんは、兄妹いますか?」


「いないよ。可愛い妹が欲しかった」


一人っ子なんだ。新藤さんこそ、良いお兄さんになっただろうに。