ペラ
マントを被ったダイスケが出てくる
ニコ「ある日、グループを抜けたい少年は言いました」
マントをとる
ニコは二人の様子を見ている
シノのストップモーションが解ける
ダイスケ「シノ先輩」
シノ「んー?なに?」
ダイスケ「それ、台本のやつですか?」
シノ「うん、そうだよ、まだ全然出来てないけどね」
ダイスケ「あはは、ファイトです」
シノ「そういえばダイスケが役者じゃないの珍しいね、どうしたの?」
ダイスケ「え、あー、うん。…裏方やりたくなったんすよ!」
シノ「あ、そうなんだ〜裏方もいいよねー」台本書いてるテキトー
ダイスケ「…嘘っす」
シノ「あ、そうなんだ〜。…嘘ね〜」
ダイスケ「…先輩、俺、実は…」
シノ「んー?」
ダイスケ「部活やめようと思ってるんです」
シノ「へー、部活をねーやめる……やめる!!!????なんで!!!」
ダイスケ「いや、俺、部活やめて劇団に入ろうと思って」
シノ「劇団…?」
ダイスケ「はい、昔入ってて辞めちゃったんですけど、劇団の方が勉強になるし、そっちに行こうかと思って」
シノ「はぁー。なるほどね」
ダイスケ「はい。…俺、恥ずかしいんですけど、舞台に関わる仕事したくて、高校の部活じゃ限界あるし…その、将来、役者になりたいんす、俺…」
シノ「……そっかぁ、まぁそういうことならしょうがないよね…」
ダイスケ「あー、恥ずい…絶対に言わないでくださいね」
シノ「なんで?」
ダイスケ「だって夢見すぎだって思われるの嫌っすもん。こんな子供みたいな夢…」
シノ「恥ずかしくないと思うけど。大事な夢なら恥ずかしいなんて思っちゃダメだよ」
ダイスケ「でも、まだ言いたくないんです。あ、特にリョウには秘密で!!」
シノ「え、リョウにも言ってないの?いつも一緒にいるくせに」
ダイスケ「部活を辞めようかなって話はしたんすけど、理由はまだ…」
シノ「いってあげなよー」
ダイスケ「いやですよー。あいつは部活として演劇に関わってるだけで、俺とは気持ちが違うし、絶対に馬鹿にされる」
シノ「そんなことしないと思うけど」
ダイスケ「それに、まだ悩んでるんですよね」
シノ「そうなの?」
ダイスケ「居心地いいから、それにリョウと一緒にいるの結構楽しいんすよ」
シノ「そっかぁ、仲いいもんね君ら」
ダイスケ「バカ友達って感じですかね」
シノ「はは…まぁ、分かった。とりあえずやめるってことになったらまた言って、私はどっちになっても応援するから」
ダイスケ「ありがとうございます。台本書く邪魔して、すみませんでした」
シノ「おー」
ストップモーション
ダイスケはニコから台本をうけとる
ニコははける
ダイスケは絵本のページをめくる