私の見るセカイ

キンコンカンコン
明転
ナオキ絵本を広げる
ジベタリアン
ナオキ「…はーぁ。難しいな」
ナオキ絵本をしまう
席についてスケッチブックを広げる
レン出てくる、ナオキしかいないのを見て1回ひっこんでもう1回でる
レン「…おはようございます」
ナオキ「レン、来たのか、休みでよかったのに」スケッチブック閉じる
レン「はい、一応」
ナオキ「俺らだけかもな」
レン「はは、そうかもですね。(隣に座る)何してたんですか?」
ナオキ「いや、」
レン「絵、ですか」
ナオキ「よく分かったな」
レン「それ、美術のときにもらったスケッチブックと同じですもん」
ナオキ「そう。レンは美術選択なんだっけ」
レン「そうですよ」
ナオキ「一緒だな」
レン「一緒です。でも、3年生はもう芸術科目ないですよね。なんで持ってるんですか?」
ナオキ「あー。ちょっと、暇だったし」
レン「ナオキ先輩は絵、上手ですもんね」
ナオキ「え?」
レン「見たんです、美術室に置いてあったから」
ナオキ「別にうまくなかったろ」
レン「うまかったですよ」
ナオキ「うまくないよ。…シノの方が上手いんだ」
レン「そうなんですか?」
ナオキ「でも、あいつ歌も上手いからさ」
レン「へぇ…」
ナオキ「だから台本だって書けるって思っちゃったんだよな」
レン「そう、ですか」
ナオキ「ごめんな、ゴタゴタしちゃって」
レン「いいえ、大丈夫です。私はずっと待ちます」
ナオキ「俺も待つ、信じるしかないからな」
レン「私も、信じます。…ナオキ先輩が信じるなら」
ナオキ「ありがとう。大丈夫、出来る奴だから」
レン「…」
ナオキ「…」
レン「あの」
ナオキ「ん」
レン「…あの、ナオキ先輩ってシノ先輩のこと好きですよね」
ナオキ「あれ、よく分かったね」
レン「え、あんまりびっくりしないんですね」
ナオキ「まぁ、隠してるわけじゃないし、気づかれる分にはね」
レン「私的には、わかりやすいです…」
ナオキ「あはは、マジかぁ。そんなつもりもないんだけどな」
レン「でも、絶対にシノ先輩は気づいてないですよ」
ナオキ「そうだろうなぁ」
レン「シノ先輩がナオキ先輩のことそんなふうに見てないからだと思います」
ナオキ「だろうね」
レン「このままじゃずっと変わらないままですよ」
ナオキ「いいよ、それでも」
レン「いいんですか!?」
ナオキ「別に気にしたことないよ」
レン「好きなら悲しいとか苦しいとか、思わないんですか?」
ナオキ「だって俺がただ単に好きってだけだから」
レン「…意味が、分からないです。好きなら伝えたいとか付き合いたいとか、一緒にいたいって思うはずです」
ナオキ「それはレンの考えで俺がしたい事じゃないだろ。シノが好きっていう気持ちに付き合いたいとかそういう気持ちはないんだよ。ただ側で守ってやりたい、シノの努力を見ていてあげたい、好きだから。……それじゃ恋とはいえないか?レン」
レン「……」
ナオキ「レン?」
レン「……」
ナオキ「どうした?」
レン「うぅ泣」
ナオキ「えぇ!?なんで?……泣くなよ」
レン「うぅぅぅ」
ナオキ「ちょっと……困るんだけど」
レン「わーん」
ナオキ「あー、じゃなくて!…えっとー」
レン「…(泣きマネ」
ナオキ「んーとー、うーん」
レン「…ふ」
ナオキ「…?」
レン「あははは」
ナオキ「レン?」
レン「あはははは、はーぁ。ナオキ先輩の弱点見つけたかもしれないです」
ナオキ「弱点?」
レン「泣きマネでした」
ナオキ「泣きマネ…?嘘だったのか」
レン「嘘じゃないですよ」
ナオキ「泣きマネなんだろ?あー、焦った」
レン「…嘘じゃないです。焦ってるのレアですね」
ナオキ「忘れて」
レン「絶対に嫌です」
ナオキ「まぁ、いっか。シノには言うなよ?」
レン「言います。泣かされたって」
ナオキ「ひどいな」
レン「言われたくないですか?」
ナオキ「まぁね」
レン「じゃ、1つだけナオキ先輩に言ってもいいですか?」
ナオキ「ん?いいよ、なに」
レン「…ナオキ先輩は…優しいですね」
ナオキ「え?あ、ありがとう…?」
レン「でも、優しくされると女の子はすぐに好きなっちゃうんですよ」
ナオキ「俺のこと好きな女の子なんていないよ」
レン「いますよ。少なくとも1人、私は知ってます」
ナオキ「ははは、でも、シノには誰よりも優しくしてたはずなのにな。…なんでうまくいかないかな。結局助けてあげられないし」
レン「…ねぇ、ナオキ先輩、諦めていい恋なんてないんですよ」
ナオキ「え」
レン「シノ先輩が言ってました」
ナオキ「シノが?」
レン「はい、ナオキ先輩ならきっと、シノ先輩を助けてあげられますよ」
ナオキ「そうかな」
レン「ナオキ先輩が諦めなれければ」
ナオキ「俺は諦めるつもりはないよ。だから帰ってきた時はみんな一緒に迎えてやろうな」
レン「はい!当たり前です!これでも私、シノ先輩のことムカつくくらいには好きですもん。…鈍感で恋バナヘタクソだけど、バカみたいに優しくて…。おかげで私、前を向けちゃいましたよ…ナオキ先輩が好きになるのも分かります」
ナオキ「……あ、はは、レンが好きでいてくれてよかったよ」
レン「え」
ナオキ「シノのこともそうだけど、…俺のこともさ」
レン「え?…もしかして気づいてます?」
ナオキ「あはは」
レン「なんで気づいてるんですか!いつから気づいてたんですか」
ナオキ「結構前」
レン「えぇ!今日じゃないんですか」
ナオキ「さ、帰ろうか。やっぱりやることないと暇だな」
レン「なんで誤魔化すんですか」
ナオキ「なんか飲み物買ってあげるよ」
レン「マジですか、行きます」
ナオキ「そういうとこ、リカコそっくり」
レン「それは、褒め言葉ですよね」
ナオキ「マイナスだろ」
レン「リカコ先輩に伝えときます」
ナオキ「やめてくれ」
はけきる