日曜日は配達も基本的にはお休みらしいので、さみしくてつまらない反面、平穏な気持ちで過ごしていた。

「何しよっかなー」

遅い朝食の皿も片付けずに、カーペットの上をゴロゴロして思い付くアイディアに、有効なものなんてない。
暑くて外には出たくないけれど、生きる上ではそうも言っていられなかった。

「とりあえず、お買い物は行かないと」

さっき飲みきったばかりの牛乳パックが目に入って、しぶしぶ腹筋に力を入れた。
このときゴロゴロなんてせず、さっさと行動に移していれば、事態は違っていたのかもしれない。

「お風呂上がりの化粧水は一刻を争う!」という雑誌の記事を盲信している。
だから、シャワーのあと下着姿で化粧水をつけていたのは通常のことなのだ。
だけど、

「ええーー!! 今!?」

突然玄関チャイムが鳴った。
慌てて元々着ていたTシャツとショートパンツを身に付け、つんのめるようにして玄関に走る。

「はーーーい! 今、出ます!」

思えばインターフォンで確認すればよかったのに、突然のことに慌てた私は、そのまま玄関のドアを開けてしまった。

「ミナツさん、おはようございます。現金書留をお届けに参りました」

「おはようございます!!」

大きく開けたドアを、挨拶と同時に勢いよく閉めた。

「すみませーーん!! 着替えて来ますーーー!!」

最近買ったばかりのパジャマの方がマシなくらいにひどい格好だった。
とにかくTシャツとショートパンツを脱いで、簡単に着られるブルーのワンピースをかぶるも、頭に巻いたタオルが引っ掛かり逆に手間取る。
乾かしている時間はないのでそのまま簡単にタオルドライをして、クリップでひとつにまとめた。
これが限界……。