「どうして……! 今年も! クラスが離れるの……!」

 良い結果は出なかった。

 彼は二年連続保健委員だったから、今年もそうだとうと山を張ったら、今年は文化祭実行委員になったと、風の噂で聞いた。


 項垂れるわたしを見て、わたしの恋心を知る友人の、冷静な一言。

「だってあっちは理系クラスで、あんたは文系クラスじゃん。いくら神頼みしても、どっちかが専攻変えなきゃ、同じクラスにはなれないよね」


 ああ、そうだった……! すっかり忘れていた! そんなに単純なことにも気付かないほど盲目状態だったのか……! ていうか気付いていたなら早く言ってほしかった……!


 それでもわたしはおみくじで出た「今の人が最良」の言葉を信じ、春休み中に身に付けた様々な知識を武器に、知り合いが誰もいない彼のクラスへ乗り込もうと、立ち上がったのだった。





(了)