俺がでしゃばって言葉に甘える所じゃない。俺の私的な感情で先輩を困らせる訳にはいかないんだ。確かに姫の態度を見て幻滅はした。でも、だからと言って任務を放棄する訳にはいかないよ。

「・・・そうか。なら俺から言おう。足手まといだからしばらく暇を取らせてもらった。実家に帰るなり何なりしろ」

「えっ!?何で勝手に取るんですか!同期が亡くなったんですよ!?先輩が休むべきです!」

何で、どうして俺が休みをもらわなければいけないんですか。休まなきゃいけないのは先輩の方だ。だって辛いのを隠しきれて無い。姫様と一緒に来た3人は生き物の死に慣れているみたいだけど、俺たちは慣れてないんだ。仲間が死ぬとか、敵が死ぬとか。平和な国で誰かが死ぬのなんて寿命か病気、事故ばかりだ。仲間が殺されるなんて事、今までなかったのに。