絶対に守るから。

期待するだけ無駄な話なのにどうして私の胸は期待を膨らませているの。書斎で今日一日、二人きりなんて考えているから?
今日一日、一緒にいた所で私の恋が発展する訳でもないのに。叶うわけでもないのに何を期待しているの。相手はお仕えする姫様なのよ。恋い焦がれて何を守れるというの。焦がれているだけで姫様の何を知れるというのよ。

「ゾーラ!」

「何だ、お嬢ちゃん。てっきり二人なのかと思ったぜ。リオディナさんもそう思ったよなぁ?」

書斎に着くなり、鍵が付いてある輪を人差し指で回しているゾーラ医師の許へ手を振りながら駆け出す姫様。二人きりじゃなかったという思いが私の心を落ち込ませた。でも、自分の欲が暴走して姫様に手を出さずに済んだのだから良かったのかもしれない。