絶対に守るから。

台所へ案内されている途中、俺は緊張しかしていなかった。確かに夢で見て思い出していった姿と同じであったとしても、顔を見た時に思い出せるかどうか不安だったんだ。世界には同姓同名の人物など平気で存在する。もし姿すら違っていたらどうすれば良いのだろう。
俺の高鳴る鼓動とは真逆。彼は台所へ着くとすぐに彼女の名前を呼んだ。見慣れた屋敷に来たものの、俺はまだ心の準備が出来ていない。本人であったとしても、俺は彼女を忘れていた身。どんな顔をして会えば良いんだ。

「ヘゥイン、客」

「ハ・・・ル・・・?」

懐かしい呼び方、懐かしい声。俺が思い出した相手と同じだ。でも、顔はどうだ。あれだけ見たいと思っていたはずなのに俯いたまま、体が動かない。やはり、忘れていたという罪悪感が大きすぎるのか。