絶対に守るから。

ゾーラ医師の墓がある以上、お嬢さんは屋敷から離れる事を嫌がるだろう。たぶんお嬢さんが生きている限り、屋敷から立ち去る事はないだろう。ゾーラ医師を一人、山奥に残していけるわけないもんな。

「ねぇ、ウィル。胡椒取って」

「待て!今話し掛けんな!」

「どうぞ、お嬢さん」

「ありがと」

料理が苦手でも、楽しいから一緒にいたいというだけで頑張るウィル。感覚だけで凄くおいしい料理を作ってしまうお嬢さん。二人を見ているといくら兄弟でも一人の人と人、向き不向きがあるんだと再確認させられる。
ただ、一番驚くのは二人といる平和な時間が嬉しいと思っている俺がいるという事実だ。お嬢さんに出会う前の俺なら考えるはずがなかった感情。