お嬢さんと関わるようになってから分かった事だから俺も偉そうな事は言えないが、最近は特に思うんだ。信頼や絆の大きさは相手をどれだけ理解しているかだと思う。けれど相手と仲が良い、ずっと一緒にいたいと思ってもらうには相手を理解している量は関係無い。
自分と一緒にいる時の雰囲気や空気を気に入ってもらえるかどうかだ。雰囲気や空気が嫌われればどれだけ理解し、されていたとしても苦手意識を持たれて会いたくはないと願われる。けれど、気に入られれば特に何も知らなかったとしても良い人であった、また会いたいと思ってもらえる。理解できる機会が自然と舞い込んでくるんだ。だから、俺はウィルが悩んでいるほど心配していない。
彼女はウィルと一緒にいる時、本当に楽しそうに笑う。根拠がないと言われてしまえば何も言い返せないが、仲の良い友達と一緒に遊んでいる幼い子供のように無邪気な笑顔をしてくれるんだ。