ヘゥインを恋愛感情を持って好きになった事はないけれど、母が俺に残していってくれた唯一の家族だから一番知っていたいって思う。けれど、エレナードは俺の知らない小さな癖まで知っている。俺と同じ癖も俺には無い癖も、俺だけがしている癖もエレナードはヘゥインを根本に置けば俺の事までおおよそを把握してしまう。
何かを悩んでいる時に腕を組んで顎を持ち、立ったまま固まって動かない癖は俺にもヘゥインにもある。けれど本当に嬉しい時、毛先を触る癖はヘゥインにしかない。そして調子が悪い時、誰かに触れていようとするのは俺だけらしい。

「次、行くか？」

これからもエレナードはヘゥインを通して俺を知っていく。俺単体に興味を持っている訳ではなさそうで、ヘゥインの兄弟だからという括りでエレナードは俺を見て世話をしている。俺と仲良くし、笑いかけてくれるのも今までのヘゥインとの絆があるから。