彼女が気持ち悪がるか、何とも思っていないのかは知らない。でも、俺は彼女が悲しみ、落ち込んでいるという事実が嬉しいんだ。知らない彼女が知れる。もしかしたら今見ている一面は誰も知らない、俺が初めて知った一面なんじゃないかって浮かれられるから。
「ごめんね、ミオラス」
彼女は去る時、また謝った後に名前を呼んだ。兵士の墓場に来てから何度謝れば気が済むんだと思うほど、彼女の口から謝罪の言葉が出ている。さすがに俺は1日で耳にタコが出来そうになったけれど、エレナードは身構えてもいるわけでもなく聞きすぎて呆れているわけでもない。聞きすぎて呆れているというよりは聞きすぎて慣れたような感じだ。
彼女を生まれる前から知っているという心の余裕なのか。認めたくなくて少し悔しがっている俺がいた。俺は血の繋がった兄弟として一番そばにいる存在なのに何で血の繋がりもないエレナードが俺より知っているんだって妬いていたんだ。
「ごめんね、ミオラス」
彼女は去る時、また謝った後に名前を呼んだ。兵士の墓場に来てから何度謝れば気が済むんだと思うほど、彼女の口から謝罪の言葉が出ている。さすがに俺は1日で耳にタコが出来そうになったけれど、エレナードは身構えてもいるわけでもなく聞きすぎて呆れているわけでもない。聞きすぎて呆れているというよりは聞きすぎて慣れたような感じだ。
彼女を生まれる前から知っているという心の余裕なのか。認めたくなくて少し悔しがっている俺がいた。俺は血の繋がった兄弟として一番そばにいる存在なのに何で血の繋がりもないエレナードが俺より知っているんだって妬いていたんだ。



