全ては養子として城へ行かなければ起きなかったはずの出来事。皆の未来は変わっていたかもしれないと考えてしまうのも無理はない。彼女は何年経とうと今日会う人々に謝る事しか出来ないと思う。例え、相手が謝罪を望んでいなかったとしても彼女はずっと謝り続ける。

「私、間違ってた」

エルフの所から移動させてもらい、ミオラスと書かれた墓の前に座ったヘゥインは泣いていた。ミオラスという人間に暇を出させて故郷に帰らせたのはヘゥインだ。だから、余計に責任を感じていたのかもしれない。自分が暇を出さなけば狙われる事もなかった。一緒にいれば誰かが怪我をしただけで済んだのかもしれない。
あの時ああしていればと考え出せば切りがないという事は本人である彼女が一番分かっているのだろう。けれど、分かっていたとしても自分を責めずにはいられない性格なのだから仕方ないのかもしれない。