俺だけが触れられていないんだ。元国王と挨拶代わりに抱き合う彼女はとても嬉しそうで、ミオラスが特別だった訳じゃない。どうして俺だけ。俺はただ、兵士としての立場を守っているだけ。俺だって望んで彼女と今の関係になった訳じゃないのに。
「二人とも帰ってきていたのか。彼女に話があるから風呂でも入ってくると良い」
「恐れ入ります」
元国王の言葉に甘え、感謝し、ミオラスと地下へ下りる俺の心は彼女が養子に来た日から晴れた事はなかった。召使いたちの住居になっている地下には大きな風呂場も各自の部屋もある。自分と向き合う時間だってあるのに。
湯を被っても俺の心に掛かった霧は晴れなかった。ずっと濃いままそこに残っては彼女の影だけがいたずらにちらついていた。元は俺が彼女の隣にいて笑い合っていたのにいつから変わってしまったんだ。
「二人とも帰ってきていたのか。彼女に話があるから風呂でも入ってくると良い」
「恐れ入ります」
元国王の言葉に甘え、感謝し、ミオラスと地下へ下りる俺の心は彼女が養子に来た日から晴れた事はなかった。召使いたちの住居になっている地下には大きな風呂場も各自の部屋もある。自分と向き合う時間だってあるのに。
湯を被っても俺の心に掛かった霧は晴れなかった。ずっと濃いままそこに残っては彼女の影だけがいたずらにちらついていた。元は俺が彼女の隣にいて笑い合っていたのにいつから変わってしまったんだ。



