絶対に守るから。

いや、違うな。俺の体が彼女の命を絶つ事を嫌がっているんだ。眠っているだけで死んではいない。生きてさえいれば、眠りから覚める日が来るかもしれない。淡い期待だっていう事は分かっている。けれど、何も出来ないんだから信じるくらい良いだろう。
彼女が覚める日を待つ事が今の俺の希望となっている。もしエレナードの言葉に従って命を絶ってしまったら、俺はきっと国王と一緒になって世界を滅ぼし始めるだろう。理性なんて彼女と一緒に失って、女や子供も関係無く斬り刻むだろう。
狂った俺を止めてくれる彼女はもういなくて、自分が死ぬ時に理解するんだ。彼女の分まで幸せに生きるくらいの覚悟で生きれば良かったと。

「なぁ、魔女がどうして幼い頃の思い出を曖昧にするのか知ってるか?」

日が登り始めたというのに、急に辺りが暗くなった。そして、状況把握する間もなく彼女に似た男の声が聞こえてきた。