絶対に守るから。

頭がおかしいと思われても仕方ないんだからな。俺は彼女の心の中に入れるだけで良かったんだ。彼女とは普通に生きていれば絶対に会わなかった存在。けれど、元国王が彼女の母親と接点を持ったせいで俺と彼女は出会う運命を持ってしまった。彼女を一方的に愛してしまう未来が俺の生まれる前に決まっていたんだ。

「お嬢さんの手を握ってやれ」

そういえば、彼女が倒れてから一度も触れていなかったな。いや、決して触れたくなかった訳じゃないんだ。触れたくなかった訳じゃなくて、少し怖かったんだ。今まで握り返してくれていた手が何の反応もしてくれなかった時、話し掛けても返事をしてくれなかった時。俺よりも辛い心境であるはずの二人の前で涙を流してしまわないか、不安だったんだ。