いや、仮に言っていたとしても違う名前を呼んでいたのならまだ分かるんだ。でも、エレナードが俺の名前を呼んだのは確かで。
「言う相手を間違えてるんじゃないのか?」
「いいや、お前で良いんだ」
エレナードの期待に応えられる自身が無くて俺は俯いた。だって俺には期待に応えるほどの過去はない。エレナードのように彼女を守る使命もなければ、カーレイジのように家族を救ってもらった恩義もない。あるのは母との約束を果たそうとしたせいで傷付けた過去と女として愛しているという叶わない思いだけ。
国を守る資格すらなかった俺に、人々の心を守ろうと生きてきた皆の近くにいる資格なんてもっとあるはずがないだろう。彼女を愛していたのだって、俺が勝手に愛していただけで彼女にとっては友達以下の存在でしかなかった。
「言う相手を間違えてるんじゃないのか?」
「いいや、お前で良いんだ」
エレナードの期待に応えられる自身が無くて俺は俯いた。だって俺には期待に応えるほどの過去はない。エレナードのように彼女を守る使命もなければ、カーレイジのように家族を救ってもらった恩義もない。あるのは母との約束を果たそうとしたせいで傷付けた過去と女として愛しているという叶わない思いだけ。
国を守る資格すらなかった俺に、人々の心を守ろうと生きてきた皆の近くにいる資格なんてもっとあるはずがないだろう。彼女を愛していたのだって、俺が勝手に愛していただけで彼女にとっては友達以下の存在でしかなかった。



