絶対に守るから。

エレナードに邪魔するなと言われると、説得力が大きすぎて本当に何も出来なくなる。言い方があるにしろ、俺たち個人の戦い方を知らない以上、一人の方が安心できるという気持ちは理解できる。実際、俺たちの国で戦争があった頃は俺も同じ立場だった。兵士一人一人の戦闘の癖なんて覚えていられないから、戦闘の種類によってそばにいる仲間の中から選んでいた。
エレナードなら何とかなるんだろう。城に来るまで、ヘゥインとエレナードは相棒と呼び合えるほど一緒に行動していた仲。エレナードはヘゥインの隣で一緒に戦えるのだろう。
なぜだ。だって俺は彼女を見殺しにしようとしたんだぞ。見殺しにしようとした時点で隣に立つ権利はないだろう。なのになぜ、エレナードが立てると思っただけで胸の奥が痛むんだ。
相手はエレナードだぞ。彼女が生まれた時からずっと一緒にいる男だ。張り合おうとする方が間違っている。