絶対に守るから。

どうして俺は自分たちだけ黙って守られていようなんて考えていたんだ。自分たちが助かれば彼女は大丈夫。俺たちさえ生きていれば一緒に生きて帰れると思っていたんだ。彼女は彼女であり、俺たちが生きていても彼女がいない未来もあると分かっていたはずなのに。

「ううん、嬉しい。守ってくれるのは嬉しいけど守られてばかりは嫌なんだ!」

今の俺の考えがゾーラ医師の言っていた平和ボケという奴なのだろうか。兵士として、平和な日常を送っている俺は仕えている相手を守るという本来の使命を忘れていた。彼女を守る立場にありながら、有能な魔女だからと守ってもらおうとしていた。
俺は一体、彼女の何を見てきたんだ。どうして俺は子供たちと会うまで当たり前の事を忘れてしまっていたんだ。
自分でもひどく馬鹿げた話だと思う。当たり前の事も忘れてミオラスの上に立っていたなんて自信過剰なのも良い所だ。