俺が彼女に出来る事はエレナードよりずっと少ないだろう。エレナードがいてくれたら俺は必要ないのかもしれない。でも、必要ではなかったとしても彼女のそばにいたい。そばにいる事を望んでさえくれれば、俺はどんな事でも耐えていける。どんなに無力だと感じても、どんな屈辱を味わったとしても。俺は彼女が望むだけで全て耐えられる。

「死ななくても痛い」

「お互い、辛い思いはするもんじゃねぇ。もう少し気楽に生きたらどうだ?」

そうか、エレナードは確かにヘゥインが死なないと不死だ。何度殺されようと必ず生き返ってくる。でも、痛みはちゃんとあるんだもんな。何度も死にたくなったはずだよな。
何度も心臓が止まるような傷を負っても、ヘゥインのためなら死ねると言えるのは本当にヘゥインを愛している証拠なのか。でも、ゾーラ医師の言う気楽にも一理ある。